鉄オタ税理士のブログ
5.312021
時給909円也 「一時支援金事前登録確認業務」
↑ の「一時支援金」ですが、一向に終息が見えないコロナ禍で、「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」による外出自粛で大きなダメージを受けている飲食店等への救済措置として設けられたものです。
1月からの第3回の緊急事態宣言に係る分は、5月末で一応の受付を終了しますが、その後の第4回の緊急事態宣言や我が石川県にも発令された、まん延防止等重点措置についての分は6月中旬から受付開始です。
どういった事業者が給付の対象となるかは、↑のHPを見ていただくことにして、今回この申請に際し「登録確認機関」による事前確認という制度が設けられました。
これは昨年の「持続化給付金」で余りにも「詐欺」が横行したためです。
つまり事業をやっていない「学生」や「主婦」までもがあたかも事業者の振りをして100万円の給付金を搾取する事案が後を絶たなかったために、
本当に事業を継続的にやっているか?
を専門家に確認させることを義務付けたものです。
そしてその専門家を募集するため商工会議所や金融機関の他、税理士、行政書士といった士業団体に声をかけて凡そ39000件の登録を集めました。
https://reservation.ichijishienkin.go.jp/third-organ-search/
かくいう私も応募し、現在までの7件の確認業務を行ってきました。
この作業ですが、本人と面談し免許証等の本人確認から始まって、帳簿の確認や本人の制度の理解度の確認等を行うもので、従前からのクライアントなら簡単ですが、7件のうち5件は一見の事業者であり、その確認作業には小一時間要します。
そしてその確認の結果をネットで登録するのにまた時間を要し、最低でも1件当たり1時間は掛かる仕事です。
さてそれだけの仕事を税理士がして、いったいいくら報酬が貰えると思いますか?
↑のHPの「重要なお知らせ」をご覧ください。
赤字で大きく
「事前確認の手数料は無料」
と書かれています。
つまり私は、依頼者からお金をとってはいけないのです。
何故取っていけないか?わからないでもないのは、先に指摘した昨年の「持続化給付金」の教訓からです。
搾取を働いた「主婦」や「学生」のほとんどは自発的にしたのではなく、闇の仲介業者がいたことは周知の事実です。
彼らは「主婦」や「学生」に知恵をつけ、給付金を搾取させその3分の1から半分を手数料として徴収したと聞きます。
そんな事案があったため、今回正規の登録業者に対しても「無料」としたのでしょう。
しかしそれでは、誰も成り手がいないと考えた政府は、その代わりの国から手数料を支払うことにしました。
問題はその金額です。HPにも小さく書かれていますが、1件1000円で支払は7月以降です。
しかもこれは「消費税込み」です。消費税は国にもっていかれますので、私の手取りは1,000÷110×100=909.1円です。
先に書きました通り1時間は優に掛かるところで、909円では、今時高校生のアルバイトの時給よりも安いです。(地域によっては「最低賃金」以下)
こんな状況ですから、同業者の中には元々登録機関に手を挙げなかった人も、数多おります。
ただ私は困ったときはお互い様との思いから、ボランティアのつもりで1件、2件と引き受けたのですが、気が付くと↑の登録機関の検索ページのかなり先の方に名前が出てくることになりました。
そうなると次々と依頼の電話(サポートセンターで紹介されたという話も?)が来て、実はこの後も8件目の申請者が来ます。(ちなみにこのブログを書いているのは5月30日の日曜日です)
日曜の午後だというのに「時給909円」で働く光谷でした(涙)